研究事例紹介
「ギターを弾ける場所」はどこ?目的を達成できる地物の検索
「○○ができる場所」を発見するのは、実はけっこう、難しい
この研究では、「ギターの練習ができる場所はどこ?」や「ピザが食べられる店はどこ?」などの、特定の目的に適した場所を検索する方法を提案しています。
研究背景
一般的な地図検索アプリでは、場所名やカテゴリをキーワードとして入力する必要があり、例えば「ギター練習」のような目的を直接的に入力することはできません。 そのため、利用者は「ギターはスタジオで検索できる」などの事前知識を活用して、「スタジオ」というキーワードで地図検索をしないといけませんでした。
提案内容
この論文で提案しているアルゴリズムは、それぞれの施設についたレビューから「ここで○○した」という記述を収集し、施設を実際に検索可能にしました。 この際、3つの仮説を用いて検索精度を向上させています:
- 仮説1 同じ行為ができる場所同士は似ているし、同じ場所でできること同士は似ている
- 仮説2 同じような施設では、同じ目的が達成できる(カラオケA店でできることは、カラオケB店でもできる)。
- 仮説3 同じような目的は、同じ施設で達成できる(ウクレレを弾ける場所では、ギターも弾ける)。
実験と分かったこと
実際のレビューデータを使った実験から、実際に目的を達成可能な地物を多数発見可能であることが分かりました。
実際には、グラフアルゴリズムを使って計算しています。
文献情報
- タイトル:
- Geographic Entity Retrieval for Finding Places Suitable for Certain Purposes by Using Relevance Graphs on Places and Reviews
- 著者:
- Yui Maekawa, Yoshiyuki Shoji, Martin J. Dürst
- 書誌情報:
- Journal of Data Intelligence (JDI), Vol.3, No.2, pp. 401 – 420, 2022.
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