研究事例紹介

「ある商品の購入目的を達成できる、ぜんぜん別の商品」を探そう


「目覚まし時計」の代わりになる商品は、「時計」に限らないかも。

この研究では、ある商品を入力として与えると、その商品の購入目的を達成できそうな、ぜんぜん別の商品を推薦するアルゴリズムを提案しています。

研究背景

最近では、Amazonなどで商品を比較しながら購入することが一般的になっていますが、その時に怖いのが「視野狭窄」です。 たとえば、ある日寝坊して遅刻した人が、何か買い物をすることで遅刻問題を解決しようとしたとします。 この利用者が最初に「寝坊を防ぐために、目覚まし時計を買おう!」と思ってショッピングサイトで目覚まし時計を閲覧すると、推薦アルゴリズムは次々と目覚まし時計を推薦してきます。

一方で、寝坊して遅刻する問題を解決する問題の解決策は、本当は、目覚まし時計だけとは限りません。 たとえば、高価な目覚まし時計を買わなくても、安いアイマスク購入すれば睡眠が深くなり、結果的に睡眠時間が短くなって朝起きられるかもしれません。 ほかにも、「朝寝坊して遅刻する」という問題を解決できるアイテムは、ノンカフェインコーヒーやら高級枕やらスマートカーテンやら、たくさん存在します。

提案内容

そのために、商品レビューに含まれる「この商品を○○に使っています」というような記述を集めて、コンピュータに「○○に使える商品は××にも使える」という推論をさせることで、異なる商品カテゴリから元の商品の購入目的を間接的に達成できそうなアイテムを発見してきます。

実験と分かったこと

実際に被験者実験を行い、このアルゴリズムで、実際に目的を間接的に達成可能な別の商品を検索可能であることが分かりました。

図 視野狭窄に陥った衝動買いと後悔の例。

文献情報