研究事例紹介
生成AIにレシピを読ませて、「ほかのレシピとの違い」を言語化させよう!
この研究では、レシピの集合を与えると、その集合の中でのそれぞれのレシピの特徴を言語化した、レシピタイトルを生成する手法を提案しています。
たとえば、「クリーミーでおいしいシチュー」というタイトルのレシピがあったとします。 他のレシピと比べた際に、シチューは大体の場合クリーミーでおいしいので、うまく差別化できません。 そこでこの研究では、ほかのレシピと比べてそのレシピが、食材、調理工程、使用道具などについて、どう違うかを分析します。 こうすることで、例えば「フライパン一つでできるシチュー」、「味噌が隠し味のシチュー」など、レシピの相対的な特徴を言い表したレシピ名をつけることができます。
現代では、誰もが気軽にCookpadや楽天レシピなどに自分なりのレシピを投稿できるようになりました。 レシピ投稿サイトには、同じ料理のレシピが山ほどあります。 たとえばCookpadでは、「肉じゃが」のレシピだけで、1万5000種類のレシピが投稿されています。
・・・こうなってくると、投稿する側も、閲覧する側も、「ある1件のレシピが、どういう特徴を持っているのか」を把握するのが、大変です。 たとえば、肉じゃがのレシピはたくさんあるので、「おいしい肉じゃが」というタイトルのレシピをいまさら投稿しても、誰も見てくれないかもしれません。 この場合、ほかのレシピと自分のレシピのどこが違うかを正しく把握して、そこをアピールしたタイトルを付ける必要があります。
そこで、本研究では、1本のレシピと、それと同じ料理の別のレシピ集合を与えると、「その集合の中で、その1本のレシピの相対的な特徴は何か」を言語化し、レシピタイトルとして整形して出力させるシステムを開発しました。
具体的な手順としては、
- はじめに、人手で作った食材・調理器具・調理工程の辞書を使って、それぞれのレシピをキーワードの集合で表す、
- 次に、各レシピのキーワード集合を比較して、「そのレシピにだけ現れる / 現れない」特徴を検出する、
- キーワード集合と、比較した特徴をまとめた、レシピの特徴文書を作る
- 生成AIを使って、特徴文書からキャッチーでわかりやすいレシピタイトルに変換する
ということをやっています。
提案手法が有効かどうかを確かめるため、実際に被験者の人たちに生成されたレシピ名を見せて、
- レシピの特徴を正しく表しているか
- 自然で分かりやすい名前になっているか
- 同じカテゴリ内での「違い」が伝わるか
などを、採点してもらいました。 . 提案手法で生成されたレシピ名は、既存手法や単なる要約と比べて、レシピの内容を想像しやすく、他のレシピとの違いが分かりやすいを評価されました。
レシピにどんな特徴があるかを整理して、AIにまとめさせてレシピタイトルを自動生成
文献情報
- タイトル:
- Generating Distinctive Recipe Names via Relative Feature Comparison in Recipe Set
- 著者:
- Maoto Watanabe, Yoshiyuki Shoji
- 書誌情報:
- Proc. of The 27th International Conference on Information Integration and Web Intelligence (iiWAS2025), pp. 367 – 382, 2024
- 掲載サイト